フランスの首都パリには、多くの人々に奇跡をもたらしたとされる「奇跡のメダイユ」が存在します。この物語は、1830年のある夜から始まります。
その年の7月18日、修道女カトリーヌ・ラブレは、パリのルー・デュ・バック通りにある修道院で祈りを捧げていました。突然、彼女の前に聖母マリアが現れました。聖母はカトリーヌに「このメダイユを作りなさい」と指示し、特定のデザインを示しました。メダイユの表側には、聖母マリアが地球を踏みしめ、手から光を放つ姿が描かれ、裏側には十字架と「M」の文字、そして12の星が配置されていました。
カトリーヌはこのビジョンを修道院の指導者たちに伝えましたが、最初は誰も信じてくれませんでした。しかし、カトリーヌの強い信念と、聖母の出現が繰り返される中で、ついに教会は彼女の話を真剣に受け止めました。そして1832年、最初の「奇跡のメダイユ」が製造されました。
驚くべきことに、このメダイユを持ったり、身につけたりした人々に次々と奇跡が訪れました。病気が治癒されたり、困難な状況から救われたりする話が広まり、メダイユの評判は瞬く間に広がりました。「奇跡のメダイユ」と呼ばれるようになり、カトリック教徒たちの間で非常に重要なシンボルとなりました。
今日でも、パリのルー・デュ・バック通りの教会には多くの巡礼者が訪れます。彼らは聖母マリアの奇跡を信じ、メダイユを手に入れるために訪れます。このメダイユは、信仰の証としてだけでなく、希望と癒しの象徴としても人々に愛されています。
この物語は、信仰と奇跡の力を信じる人々にとって、深い意味と感動を与えるものです。聖母マリアとカトリーヌ・ラブレの奇跡の出会いは、今もなお、フランスだけでなく世界中の人々の心に生き続けています。